PR Tableに当社の創業秘話を掲載しました

九州を活性化する投資会社「ドーガン」――壮大な理念を掲げた創業秘話とその軌跡

福岡で2004年に創業した株式会社ドーガンは、地方経済の活性化のために、企業投資と助言を行うプロフェッショナル集団。地方で同様の事業を展開する会社はなく、日本で唯一無二の存在です。創業者かつ代表取締役である森大介のキャリアや想いを紐解きながら、当社の創業秘話から未来像までお届けします。

 

社名の由来は九州弁。中小企業の経営をサポートする「会社のお医者さん」

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日本において、地方の企業は厳しい経営環境にさらされています。私たちドーガンの主な業務は、九州を中心とする中小企業へのM&A斡旋、投資育成、成長支援業務、再生支援業務。そして、これらの業務を目的とするファンドの組成及び運営も手がけています。業務内容を聞くと、なんだか小難しくてよくわからない会社と思われるのではないでしょうか。ですから、私たちは自らの仕事を「会社のお医者さん」と表現しています。

森 「どんな会社でも悩みを抱えています。世界的な有名企業であれ地方の中小企業であれ、老舗であれベンチャー企業であれ、どんなステージであれ……。課題のない会社はほとんどないと思います。しかも経営者は孤独で、経営に関してきちんと相談できる相手がいない。そこに私たちの役割があると考えています」

社名の「ドーガン」は、「いかがですか?」を意味する九州弁の「どがんですか?」「どげんですか?」「どぎゃんですか?」からとったもの。この柔らかいひと言には、相手を思いやる心が込められており、故郷で愛着を持たれると考えて決めました。

そしてもうひとつ、外資系金融機関と対峙する局面でも名前負けしないように、あえてなんとなく得体のしれない印象を抱かせようという狙いもあります。

森 「実際、仕事相手に『どがんですか?』と問いかけることも多々あるんですよ」

堅くて冷たいイメージを抱かれがちな金融の世界にいながら、人の温もりや情を漂わせるドーガン。その原点には、森の熱い想いがありました。

九州の実情に合わせ、経営のアドバイザリーとファンド業務を行う会社を設立

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創業者の森は、熊本県生まれ。

幼少期を熊本で過ごした後、12歳で関東へ引っ越し、東京の大学に進学しました。

就職したのはバブル期のまっただ中。映画「ウォール街」に魅かれて、1991年に日本長期信用銀行(現・新生銀行)に入行。そこで初めて、金融に興味が湧いたと振り返ります。

森 「中学から東京に住んでいたのに、初対面の顧客から『九州出身でしょ?』とよく言われまして。両親の影響で九州のイントネーションになっていたのでしょうね。自分のアイデンティティはどこにあるのかと疑問が生まれ、九州で仕事をしてみたいと思うようになりました」

しかし、九州で働く機会がないまま、長銀は98年に破綻。シティバンク、エヌ・エイに転じると、当時は支店がなかった九州の担当になりたいと志願しました。そして、ついに福岡出張所の所長として、九州の地で仕事をするチャンスを手に入れたのです。

単身赴任でホテルに住み、顧客開拓に奔走。仕事は順調で、主に九州エリアの富裕個人・会社の資産運用を担当し、数百億円を預かるようになりました。

大いにやりがいを感じる日々———。しかし、ふとしたことから抱いた違和感が、次第に膨らんでいきました。

森 「ある日、会食の席で、地元の法曹界の大御所から『キミが預かったお金はどこにいくの?』と問われたのです。冷静に考えてみると、最終的には東京や海外に吸い上げられ、地元経済に還流していないと気付かされました。自分の仕事は地元の役に立っているのか……仕事へのプライドが保てなくなりました」

「お金は血液のようなもの。いい血液を流すことで、地域は活性化する」と考えていた森にとって、それはショッキングな出来事でした。さらに、九州に深く入り込んで仕事をするにつけ、実情と自らのポジションにもギャップを感じるようになります。

森 「九州の経営者から相談を受けるのは、資産運用より、再生やM&A、ベンチャー支援などが多かったんです。たとえば、経営危機に直面している酒蔵を再生するようなファンドを作ったらどうかと考えたけれど、私のいた会社の上層部には受けあってもらえず、かといって周囲のメガバンクや証券会社、地域の金融機関でもソリューションを提供するところがない。目の前で苦しんでいる人たちがいるのに、と悶々としました。そこで、顧客第一主義で経営者に寄り添い、会社のことを一緒に考えるアドバイザリー業務と、それを応援するファンド業務を行おうと、独立に踏み切りました」

紆余曲折を経て、経営者や投資家からよきパートナーとして認められる存在に

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森 「独立前、周囲の人たちに再生ファンドをやると話しても、やっていけるわけがない、絶対無理と反対されました。けれど、子どもの頃から人とは違うことをしたいと思っていたし、新入行員のときも『世の中を驚かすことを一緒にしませんか』と人にいうようなタイプで。一度しかない人生、やりたいことをやろうと覚悟を決めました」

2004年、ドーガンの前身となる「株式会社コア・コンピタンス九州」を設立。経営理念として掲げたのは「きれいな心と創意工夫で、世界に通用する地場産業の投資と育成に取り組む」でした。

ダンボールひとつ、和式トイレの雑居ビルで創業。当初6人でスタートしましたが、メンバーの思惑は必ずしも一致しませんでした。そこで「九州のために何かしたい」という志が強いメンバーのみが集まり、06年「ドーガン・アドバイザーズ」に社名変更。再出発を切ることになります。

創業から13年(※2017年現在)、これまで12本の投資ファンドを設立。機関投資家を中心に約295億円の資金を預かり、九州の中小企業に投資する地域特化型の事業を展開してきました。支援した企業は約90社(投資先)を超えています。しかしながら、うまくいかずに“失敗”してしまったケースもあります。

森 「当たり前のことですが、人のお金をお預かりするのには非常に大きな責任が伴います。リーマンショックの影響で想定外が続き、投資先が資金繰りに窮したときは、2年ほどまともに寝ることができませんでした。毎晩、投資先の方々やそのご家族、ファンドに投資してくれている投資家、投資先の融資担当者の顔が浮かび、うなされる日々が続いて……今だから打ち明けられることです。

当時は、私が暗い顔をしてはいけないと努めて明るく振舞っていましたが、本当に苦しくて、あのような思いは二度としたくないと思っています」

失敗を次に生かそうと肝に銘じ、私たちは「奴雁家訓」というルールを社内で共有しています。

森 「この仕事をしていると、計画通りに物事が運ばず、ギリギリの判断を迫られる局面があります。自分を過信せず、情に流されすぎず、ベストと思える選択を重ねていく。どんなことがあっても地域のためになると信じ、前を向いて愚直にコツコツやっていくしかないのです。真面目な人が報われる社会であってほしい。ですから、私たちは単にお金儲けをしようという話にはのりません。それよりも、志のある相手に尽くして喜ばれることが、何物にも代えがたい幸せなのです」

世界に通用する地場産業の投資と育成を加速し、ほかの地方に仲間を作りたい

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森 「ドーガンは画材屋で、私は店主。優秀な若いプロフェッショナルが集い、顧客に喜ばれる仕事ができる場を与えることが私のミッションです」

数多くの成功実績を残している森ですが、それを誇示することはありません。取引先の方々が働きがい・生きがいを持てる企業になるようにサポートすることが重要であり、私たちは黒子に徹することこそ美徳だと考えているからです。

創業以来、さまざまな相談を受ける中で、地方の中小企業は優秀な人材不足に悩んでいると痛感してきました。一方、東京や海外で活躍する地方出身者から、地元に戻って働きたいという声も多数聞こえています。

そこで、2016年に人材紹介事業を手がける「株式会社ドーガン・エグゼクティブ」を設立。さらにベンチャー支援に特化した「株式会社ドーガン・ベータ」も立ち上げました。また、事業承継や海外進出の支援なども積極的に行っています。

会社の規模が拡大し、事業展開が多彩になっても、「世界に通用する地場産業の投資と育成に取り組む」という創業時の理念がぶれることはありません。それは現在、国が推進している地方創生にもつながります。

森 「明治維新から人もお金も物も東京に一極集中してきた結果、歪みが生じています。私は直接金融の投資システムで、地元に資金を還流させることが大切だと考えています。私たちは、優れた地方の会社を発掘して投資し、主に経営面を支援することで競争力を高めます。ときにはグローバルに羽ばたく会社へ成長することもある。そんな魅力ある会社に憧れて、東京ではなく地元で働きたいという若者が増え、地方が盛り上がっていく……。

地方でも安定した雇用のもとでワクワクする仕事ができて、プライベートも充実して、幸せに暮らせる。そんな未来像を描いています。社会全体を変えることは難しいので、まずは私たちが関わる先や自社から、そうしていきたいのです」

そして、私たちが描いている未来の展望は、もうひとつあります。

森 「創業からずっと地方にこだわり、地方企業を支援するノウハウとネットワークを蓄積してきました。今後、九州以外の地方で、私たちのように100%顧客志向で事業を展開したいという仲間がいれば、全面的にバックアップしていきたいと考えています」

福岡の地で誕生し、13年(※2017年現在)にわたって地道に信頼と実績を重ねてきたドーガン。この熱い志が九州をますます活性化し、さらにほかの地へと飛び火する日はそう遠くないかもしれません。

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